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『プラド美術館 名画に隠れた謎を解く!』薮野 健

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バルセロナのガウディも見たい。
アルハンブラ宮殿も見たい。
でもプラド美術館で、絵が見たい。

スペイン絵画は暗い。光と影のコントラストがハッキリしている。
フェルメールは光を巧みに描いた画家だが、オランダの光と、スペインの光は違うのだろう。

プラド美術館があるにはマドリード。
バルセロナは海沿いの、光あふれる美しい場所だが、マドリードは(行ったことはないが)暗い感じがする。
マドリードが首都になったのは比較的遅く、日本で言うところの江戸時代。
それまでのトレドが手狭になったのだ。トレドは京都にあたる。

ここにフェリペ4世という王様がいた。
彼は特に有能ではなかったが(スペインが没落したのはこの人のせいらしい)、芸術と女性の目利きであった。
プラド美術館はこの王様と、一族が趣味で集めた(もしくは書かせた)ものというある種特殊な美術館なのだ。
その上植民地支配で世界一の帝国になっていたのでお金持ちだったのだ。
経済力と、美術品はいつの時代も不可分だ。
ゴヤ、ベラスケス…このあたりがお気に入りだった。
エルグレコはお気にめさなかったようだ。グレコはマドリードではなく、トレドで活動をしていた。

金持ちが道楽をして、国を傾ける。
いつの時代も、どこの国でも。
ただ道楽を極めるとそれは国の宝にもなる。
現在経済的にぱっとしないスペインだが、
イスラム教徒の普請道楽、フェリペ4世の美術道楽、バルセロナの普請道楽の散財のおかげで
世界有数の観光立国になっている、羨ましい。

by sapporo-dokusho | 2017-10-05 11:02 | 世界